この世に非ざるものがこの世には存在する。それは、何となく子供の頃から空想していたし、実際そうした物語は世の中に沢山あるし、最近は異世界物のライトノベルやアニメも流行っているとか。
この物語はそうしたものの一つで、物語は少し重たいけれどホラー小説かと言われれば違う気がする。
この本にはタイトル策の「夜市」と「風の古道」の2作品が収録されていて、2作品ともこの世からいなくなることがテーマの一つだと思う。
望んでいたものを望まない手段で手に入れてしまった後の喪失感と罪悪感、無力感であったり、知らずに禁忌を破ってしまった結末だったり…自分の感覚では、ホラーとは理不尽であるからホラーであって、この物語たちはしっかりと納得できる骨格を持っている幻想小説だと思う。
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