オフィシャルホームページによると企画の立ち上げはコロナ禍の最中だったそうで、当時はコロナに感染して亡くなったり、才能があり期待されていた役者さんが自ら死を選んだり、撮影もどのように接触感染を防ぐか、映画館は感染対策と安全性のアピールに必死で、製作や配給会社では製作や公開の延期や中止が行われていました。
その中で新しい企画を立ち上げるのは簡単な事ではなかっただろうなと思います。
映画の舞台は尾道で、尾道と言えば小津安二郎監督の「東京物語」の老夫婦の暮す町であり、大林宣彦監督の尾道三部作の舞台でもあります。
この映画のストーリー的には尾道でいいのかなと感じるところがありましたが、その疑問を上回る雰囲気が感じられます。街が映画を呼ぶという事はあるのでしょう。
古き良き人と人間関係、戦争の記憶と爪痕、豆腐作りを絡めた親子と人の情愛。
それら全てを欲張って表現した映画。
主演の藤竜也さんの演技はもちろん、娘を演じる麻生久美子さんも最近多いコメディエンヌ役ではなく今村昌平監督が育てた最後の映画女優と言われた演技力で映画を引っ張ります。
エンディングテーマでエディ藩さん(藤竜也さんは代表曲”横浜ホンキートンク・ブルース”の作詞で、お二方とも横浜在住)の演奏する「9O’clock」がかかりますが、新録ですかね…
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