一人の銅版画作家の連作に纏わる幻想小説です。
森見登美彦さんと言えば京都を舞台にした独特な語り口の小説を思い浮かべますが、この作品はそれらとは一線を画しています。
舞台は京都ですが、銅版画「夜行」の描く尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡のエピソードと、対をなすと言われるが誰も見たことがない「曙光」という作品を絡めた幻想小説。
夜と昼は交わることはなく、そこに生きるものもまた同じ。そして、自分がどちらにいるのかなんて普段は意識しない…そんなお話です。突き詰めれば世界5分前仮説につながっていくのかもせれません。
世界は確かなものだと信じているけれど、それは自分の信じる形で確かなものなのだろうかと。
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