2023年8月5日土曜日

【ハマのドン】監督:松原文枝 製作:テレビ朝日 配給:太秦 2023年

 横浜の港湾事業を中心とする有力企業である藤木企業。その藤木会長と言えば横浜で生活をしていれば名前を聞くことがある方。この映画とは関係ありませんが、横浜スタジアムの改修では市民の野球場という観点から反対派で、最後はDeNAベイスターズが引き取って大改修して人がにぎわう野球場という点で成功しています。映画の中で映った書斎ではいろいろなチームのベースボールキャップ中にベイスターズのもあって、うまく折り合った結果なのだなと思いました。野球は、この方の人生の中でも大切なものだというのは観ていてわかりますし、納得すればよしという事なのでしょう。


横浜市長選の経緯や結果については報道で知っていましたが、その選挙活動の原点であるIR構想反対運動にはとてつもないパッションを感じました。

それは本来推進の立場であるはずのハリウッドの日本人カジノデザイナーも“この人なら”と信頼し、その是非を問うはずだった横浜市長選では推進していた菅首相が推進を撤回し、閣僚を辞任して臨んだ自民党公認候補を立てることになるほど。

実際に起きたことですが、場所を伏せて話をすれば誰も信じないようなことを成し遂げる。

一人の有力者の意見が通る世界が良いとも思いませんが、その意見に多くの賛同者がいる場合、大きな力になる。自分がどうあがこうと政治は変わらないという事はないと証明して見せたという点で、多くの人に見てほしい映画です。


映画のHPのイントロダクションではこの映画を次のように紹介しています。

“2019年8月、“ハマのドン”こと藤木幸夫が横浜港をめぐるカジノ阻止に向けて立ち上がった。御年91歳。地元政財界に顔が効き、歴代総理経験者や自民党幹部との人脈、田岡一雄・山口組三代目組長ともつながりがあり、隠然たる政治力をもつとされる保守の重鎮だ。

その藤木が、カジノを推し進める政権中枢に対して、真っ向から反旗を翻した。今の時代が、戦前の「ものを言えない空気」に似てきたと警鐘を鳴らし、時の最高権力者、菅総理と全面対決した。

決戦の場となったのは横浜市長選。藤木が賭けたのは、住民投票を求める署名を法定数の3倍をも集めた市民の力だった。裏の権力者とされる藤木が、市民とカジノ反対の一点で手を結び、時の総理と官房長官が推し進めた「カジノ誘致」の国策阻止を成し遂げた。

パーソナルな話題があふれるこの情報社会の中で、本来の保守とはなにか、人心を動かすとはどういうことか、社会のありよう、メディアの在り方、民主主義とはなんなのか。

本作を手掛けた監督はテレビ朝日「報道ステーション」プロデューサーを務めた松原文枝。プロデューサーは「テレメンタリー」の江口英明と「民教協」の雪竹弘一。ナレーションにはリリー・フランキーが加わった。藤木が市民と手を取り合い、カジノ誘致を覆したその軌跡を追うとともに、市民の声が届かない今の時代の政治権力をどう見るのか。政治を諦め無関心となる間に、国の根本となる重要政策の転換がなされ、手遅れの事態となる。

藤木の闘いは今の政治を変えて行くために何が必要なのかーここには一条の光がある。“


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