映画評論の大御所と言われた故淀川長治さんは、映画の良いところを見つけて、あからさまに悪い評論をしなかったと言います。
しかし製作者にとって、そこを褒めるか…という個所を褒めて、実質的なダメ出しを行うこともありました。
淀長さん、ご存命ならこの映画をどう評論したでしょうか。
この映画は、某問題でメディアから姿を消している香川照之さんの主演作品。
香川さん演じる記憶喪失の宮松(山下)は京都の撮影所の大部屋役者をやっているという設定からか、オープニングは屋根瓦のアップが数カット。時代劇の殺陣シーンへと続きます。
最初からそんな風に説明なしに劇中劇と劇中の現実のカットがつながれているので、漫然と観ていると混乱してしまいます(注意していても頭の中で前のシーンを巻き戻す必要があるかも)が、それは演出者の意図かもせれません。
主演の香川さん的には挑戦的で刺激的な役だったのではないでしょうか。
監督が3名いるというのはどういう現場だったのか想像がつきませんが、出来上がった作品がすべて。誰がどうという評価は必要ないでしょう。
映像自体や含みのあるストーリーはお得意のようですが…
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