今月の読書会のテーマは「壁抜け男」だったけれど、新型コロナウイルスまん延防止のため中止。
さて、「壁抜け男」最初に読んだのはいつ頃だったかと考えると、多分小学生の頃。世界の不思議な話を集めた子供向けの本に入っていた気がしますが、今読むと、最後の一文がそうならホラーに分類してもいい気がします。
ミュージカルにもなった有名な作品ですし、その後何回か読んでいるはずですが、ホラーとは思わなかったなあ。適当に読み飛ばしていたんでしょう。
今回読んだのは岩波少年文庫のホラー短編集3「最初の舞踏会」に収録されていたものです。
突然壁を通り抜けることが出来るという特殊な能力を授かった男の顛末が描かれていますが、個人的には読んで面白いかは微妙…
作品が書かれた頃と、現代では社会や生活習慣が異なるのは当然として、娯楽の種類、作品そのものに使われる物語の構成や表現の技術も変わってきています。
心理描写が主題なら古い作品でも違和感なく読めますが、奇抜な設定で読ませる作品は、時代が変わると物足りなさがぬぐえなくなるのかなと感じました。原文で読んだわけではないので、訳し方のせいかもしれませんが。
子供の頃に読んだ際は、何しろ読んだことがあることを覚えてているだけで、不自然だと感じなかった気がするのですが、それは本に書いてあるのだからと素直に読んでいたか、いろんな部分を想像して補って読んだのかもしれません。(自分で自己中心的な物語のアナザーストーリーを作る癖があったのを思い出しました)それとも訳文がもっと子供向けで、物語を補って訳されていたのかも。
案外、発表当時の人も、物足りないところは自分の妄想で補って読んでいたかもしれませんし、当時はそういう読み方が普通だったりして…そういう共通認識があるなら、今とは違うエンターテインメントとしての読書会が成り立ちそうです。
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