「阿賀に生きる」が監督デビュー作にして代表作として知られる佐藤真監督。監督は2007年に亡くなっていますが、今年11月にユーロスペースでニュープリント上映されていたようです。
この本は佐藤監督に関わった人や教え子だった人がいろんなところで語った事がまとめられていますが、タイトルからしても、知らない人にはハードルが高いというか、ちょっと何を言っているのかわからない…かも。
タイトルに、「見えない世界を撮ろうとした」とありますが、正確には「誰にとってもあるがままを撮ろうとした」なのかなと思います。というのは、映像というのは、基本的にどんなものであれ写したいものしか写さないもので、映画というのは、その映像を監督が見せたいように繋いでいくものだからです。
それは、ノンフィクションと言われるものでも同じ。つまり、ノンフィクションは実際に起きたことだけれど、それは撮った人の視点であって、他の視点や見えない物語が山ほどあるもの。
佐藤監督は、そのことを意識して撮られた方。そういうことをいろんな方が語っているんだろうなと思います。
佐藤監督が生きておられたら、現在の、何でも切り取り放題で、真実かどうかも分からない言葉や映像がSNSで発信され、大騒ぎになる世界に対して、頭を抱えてしまうでしょうね。
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