2021年9月5日日曜日

【水煮 西遊記 中国ビジネス思想の源流を知る】成君憶 著 呉常春・泉京鹿 訳 日本能率協会マネージメントセンター 2006年4月5日初版第1刷発行

 西遊記をもとに人材マネージメントを語る。大概の物語は登場人物のキャラクターを描き分けて物語を進めていくので、西遊記が特別ではないのだけれど、物語に出てくる妖怪を欲望や嫉妬といった感情に置き換えている点が面白い。

三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄のキャラクターは、そのレベルや割合は違えど一人の人の中に混在するもの。自分を見つめてよくコントロールしようということ。

この本の分類に当てはめれば今の中国は圧倒的な力を背景にササっと物事を解決しようとする孫悟空なんだろうな。

SNSに夢中な人は自分の快楽優先の猪八戒か…

天竺は自分の心の中にあるものとし、一行の取経の旅を理想の自分へ至るための過程。自分という一人の人間の中にある4つのキャラクターを認識してうまくやろうという事なのだけれど、肝心なのはそれをどう育てるかだと思う。

到達点は天竺でお経を得て帰る事。つまり理想の姿を得て自分のものにする事だけれど、御仏の教えという明確なゴールは、人の生き方には無いのだし。

タイトルの水煮は、四川料理で、ピリ辛という意味でつけたという事だけれど、他の国の人にとっては四川料理はピリ辛では済まないことが多き気がする…

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