かつて現在のテレビ東京系で放送されていた「ダイヤモンドサッカー」という番組についてのいわゆるトリビュート本です。
自分も子どものころに見ていた番組で、自分が住んでいる地域では日曜の午後からだったかなあ。家にいたら見るという感じでした。日曜の昼間なんて自分の遊びが第一でテレビは暇なときに見るというのが当たり前。
子どもの頃は見ていてもプレイのすごさはわからなくて、なんでこっちにパス出さないんだろとか、あそこ空いてるじゃんとか思ってみていたと思います。実際にプレイすると、その難しさがわかるんですけれど。ただ、その解説が腑に落ちて、またサッカーだけではなく街やクラブの歴史や文化もさらりと語られていて、楽しいサッカーと地理・歴史の授業を受けている気がしていたんだろうなと懐かしく思い出しました。
そして何と言ってもサッカーをテレビで見る機会はその番組でしかなかった時代があったのです。
その番組について関わった方、実況アナウンサーと解説者、ジャーナリストやその当時現役だった選手、放送開始以降の選手などのインタビューや対談は、今日の日本サッカー普及前夜の状況として興味深く読みました。
サッカー経験者で三菱商事のロンドン駐在員で船を売っていた諸橋晋六さん(漢学者 諸橋轍次さんのご子息)がBBCで「マッチ・オブ・ザ・デイ」を日本で放送できないかと思っていて、三菱化成の社長で日本蹴球協会の副会長をされていた篠島秀雄さんがロンドンを訪問した際に話したら…
篠島さんは番組を放送することになる東京12チャンネル(現在のテレビ東京)の母体「財団法人日本科学振興財団」の理事だった…
篠島さんは東大の出身で、ダイヤモンドサッカーの解説を務めることになる岡野俊一郎さんの先輩だった。
いろんな関係が重なって実現した放送だったのだな、と。
また、前後半を2週に分けて放送する特異なフォーマットの理由も納得できました。

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