アクション小説のようなタイトルですが、赤色の染料をめぐる歴史の書かれた本です。
現代において「青色発光ダイオード」の発明が光るものの革命であったように16世紀、近世ヨーロッパでスペインが新大陸で得た赤色の染料「コチニール」は、それまでの染料では出せなかった赤を出すことが出来ました。19世紀中頃に化学染料であらゆる色が造られますが、かつては自然界にある植物や昆虫などからしか染料を作ることが出来なかったため、ヨーロッパの人々から見るとこの新しい染料の出す色はとてつもない価値があったわけです。殊に「赤」は様々な立場から様々な意味づけがされ、色あせない鮮やかな赤の価値は特に高いものであったと言います。
新大陸メキシコで生産されたこの染料は莫大な利益を生み、生産の中心地「オアハカのあるスペイン人聖職者は1500年代末、先住民たちが食物を育てずにコチニールを飼い、主要な食物までもほかの町から買って、コチニール収益で酒を飲んで酔っ払っていると書き記している。」それは、今の世界とも似ている気がします。今でいうところの最適化ですね。独占が失われ、代替品が出ても成功体験にすがって没落していくというのはどの世界でも同じ。
カリブの海賊を産むことになるほどの富は世界を変えますが、変わった世界で中心でいられるとは限りません。
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