阿賀の山と川が美しい。仕事で行くことがあるけど、本当にあの通り美しい。ただ、雪はもっと積もるんだよな…というのは置いておいて、この映画はオダギリジョー初監督作品。
基本、初監督作品は、カメラマンの存在が大きくて(初監督作品に限らないかもしれないけど)監督とは名ばかりでカメラ位置から何からチーフカメラマンが…みたいな作品の話も聞いたことがある。この作品はさすがに違うだろうけど、しかし画の美しさはロケハンとカメラマンの勝利だろう。
ちょっとネガってるのは、これ「ある船頭の話」って割に主人公の船頭トイチの存在感は演じた柄本さんに丸投げで、事情があって出身集落から離れて一人で船頭をしているって語りではいろいろ足りてない感じは役者ではどうしようもないところではないかな。船頭の話というより彼の目から見た周りの人たちの話で、船頭の話というなら彼の来歴が語られないと話がきれいに転がっていかないと感じた。
シェイクスピア劇っぽいと言えばシェイクスピア劇っぽい。寺山修司的と言えば寺山修司的な表現も見える。
役者さんたちの芸達者加減を引き出しているのは監督としての力量だけど、脚本はテーマ投げて誰かにやってもらうか、何人かでディスカッションするかすべきだったんだと思う。
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