2019年8月27日火曜日

【秘密の花園(The secret garden)】バーネット著 土屋京子訳 光文社刊

9月の読書会のテーマは「秘密の花園」。
「秘密の花園」の著者バーネットと言えば、「小公子」、「小公女」の児童文学のアメリカ人作家で、ルーツはイギリスなんだよね…までは中学生の頃の自分も知識としては持っていたと思う。
 しかし「秘密の花園」は、タイトルを見ただけで男子たるもの手に取るべからず的な雰囲気を醸し出している。この本持って図書係のところへ行けるか…(まあ、小公子のセドリックや小公女のセーラも持って行きづらいけど、それは自宅にあった少年少女文学全集に入っていたし、テレビアニメにもなっていた。)という事で、タイトルは知っていながら今まで読んでいなかった本を手に取った。
 読書会の一番のメリットは、自分とは違う読み方を聞けることと、こんなふうに決して自分では選ばない本がテーマになることがあって読む機会を作ってくれること。
 その本、読む気無いや…で済ます人もいるけど、もったいない話だと思う。
 
 この本を読みながら思い出したのは、全く状況は違うのだけれどヘレン・ケラーの伝記。
 彼女は、目も見えず、耳も聞こえず、口もきけないという中で、サリヴァン先生に導かれて行くけれど、この物語で登場するインドで両親にかまわれずにわがまま放題で育ったメアリや、同じく生後すぐに母親が事故で亡くなって父親にかまわれずにわがまま放題で育ったコリンは、周りの状況が分からないヘレン・ケラーみたいなものだよなと感じたもの。
 人とのコミュニケーションの大切さというのを感じた物語だけど、19世紀の児童文学だけに肩が凝るところもない。するりと安心して読めるところは水戸黄門的と言えるかもしれない。
 たまにはどんなハッピーエンドが待っているのか。そう思いながら読み進めるのも悪くない。

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