2019年7月1日月曜日

【僕はイエス様が嫌い】  劇場公開日 2019年5月31日 監督・脚本奥山大史 製作国:日本 配給:ショウゲート

東京から雪の残る地方へ家族で引越っしてキリスト教系の小学校へ転校してきた5年生の主人公が経験する悲しい出来事。
こういう映画をさらっと作る人、観た人も絶賛するってメンタルが、ぼくにはわからない。
 神がいるのかいないのか。そんな大前提の議論以前に、異教徒の少年だけに神を見せ、どうでもいい願いは小さく叶えながら、一番大切な祈りは届かない。
 大人の視点で神の不在とか、神の沈黙とか言うけれど、それは神を見ることができない、また神を信じることで不遇であると考えないという逃げ道を知っている人たちの話。
 聖書を知らず、神だけ見せられて、切実な願いはかなえられない。そんな残酷な物語はないだろう。
 だから「僕はイエス様が嫌い」なんだというかもしれないけれど、そういう物語なら普通は嫌いどころか「憎む・否定する」から「諦める」になるんだろうな。
 小さなキリストがレコード盤の上を走る。そのビジュアルがアイ・チャッチで、小さな友情と悲しい終焉をああいう形で絡める。
障子の向こうに過ぎ去った楽しかった過去が見えることもあるけれど、必ずしも見えるわけじゃないよ。だからおじいちゃんは穴を沢山開けたんだよって、神の気まぐれを表現したのだろうか。
いずれ、神が見えるというのは残酷な話だ。

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