東北電力による1971年の巻原発建設計画正式発表から2003年の白紙撤回まで34年。
高校まで余裕で30Km 圏内に入る所に住んでいたけれど、白紙撤回のニュースを聞いたのは、そこを離れ大学を卒業し、東京で就職してずいぶん経ってから。まだやってたのか…というのが正直な感想でした。
小学生の頃、大好きだった担任の先生が休んだので、どうしたのって訊いたら巻原発反対のデモ行っていたっていう記憶があって、その後家族旅行で行った鬼首で地熱発電の事を知ったりいろいろな発電方式があることに興味を持って、夏休みの自由研究の題材にしたしりて子供心になんで原発なんかに拘るんだろって思ってた。
34年間と言えば、当然な事ながら、その年に生まれた赤ちゃんが34歳。大学卒業した年なら56歳で、会社員ならもうすぐ定年。そんな長い間、反対運動に関わるというのはすごいこと。
人は変わるものだし、巨額の利権が絡む原発建設ともなれば一筋縄ではいかないのは想像できる。その内幕が垣間見れるというのはとても興味深い。
著者は弁護士という職業からか、主体的にかかわったことを公平に書こうと心がけて書いておられるようだけど、立場が変われば評価も変わるものだから、想像力を働かせて読んでみて欲しい。
人が生きるという事は綺麗事ばかりではないけど、それでもやらなきゃいけないことをどうするか。
フィクションとは違う実際の人間というものが立ち現れてくると思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿