2016年5月14日土曜日

【いなくなった私へ】辻堂ゆめ 作 宝島文庫社 2016年2月18日第1刷発行 3月26日第2刷発行



23回「このミステリーがすごい!」大賞 優秀賞受賞作。
作者は1992年生まれという事なので今年で24歳。とすると作品を発表したのは社会人になってすぐくらいなんだろうか。
どんな感じの作品かと言えば、伝奇ミステリーファンタジー。
2つの時代と場所が異なる物語が語られていて、一つの物語がメインのもう一つの物語のミステリーを理解する鍵となる。
登場人物がこれからの事を前向きに感じるエンディングだけど、客観的に見れば不安しか無いんじゃないかな。これは作者の若さなのか、収拾をつけるために目をつぶった結果なのか。

マンションから転落して亡くなっているけれど、本人は亡くなった記憶が無く生きている若くて美しい、才能あふれる女性シンガーソングライターが主人公。
彼女は他の人が見ても本人とは気付かれないけど、渋谷で出会った青年と彼女の亡くなった場所で交通事故に遭って亡くなり彼女と同じ状態で家族に認識してもらえない少年の2人には亡くなる前の彼女として認識されている。
彼女の死の真相と、なぜ二人だけに見えるのかについての謎の解明がミステリーの部分。

結局、その後彼女たちはどうなるのかな…

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