気持ち悪い。内容がじゃなくて書き方が。
誰が語っているのかと言えば登場人物の父若しくは祖父あるいは曾祖父の通夜に集まった人たちで、その語りが主を変えてだらだらと続く。誰が語っているのか、すぐには分らないセンテンスもある。
会話に「」もないのも、改行の基準が今一つ分からないのも、語りと会話が混然と一体となって文体に統一性が無い。
従来は語り手の主観ごとに切り取られて描写されるものを、この作品は参列者総体を一つのものとして描写しようと試みているんだろう。
試みは面白いと思うけれど、自分はリズムに乗れなかった。
故人に対する思い出、参列者それぞれの事情、その晩の特に何ともない(ありがちな)出来事が混然一体と語られる。
自分が子供の頃、お盆の墓参りに親の実家に親戚一同が集まって似たようなシュチエーションを経験したけれど、少子高齢化、晩婚化と言われる昨今では、もうあまり経験できない出来事なのかな。あの不思議な感覚を何とか残そうとするとこうなるのかな。などとも思う。
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