2013年の初夏、この本を三ッ沢のバックスタンドで読みながらYSCCのゲーム開始のキックオフを待っていた。
ビール売りの女の子が来たので本を閉じてビールを買うと「へえ、そんな本あるんですね。」と本の事を訊かれた。
この中でインタビューを受けている選手は財前宣之、礒貝洋光、船越優蔵、森崎嘉之、一木太郎、分量は少ないけど橋本淳、石本慎、藤田聡。そして元選手会長として藤田俊哉氏、エージェントとして田邊伸明氏が登場する。
インタビューを受けている人に現役の選手はいないし横浜に縁があった選手もいない。彼女は選手に興味があったのではなくて、選手のセカンドキャリアに興味があったんだと思う。
誰だって引退はするし、その後どうするかというのは本人にとっても周りにとっても重要だから、それを知りたいと思ったんだろう。
そんな事を思い出したのは昨日、北嶋秀朗さんがアルビレックスのコーチになるというニュースを見て。
森崎嘉之さんは市船時代の北嶋さんの2学年上で、3年次には選手権得点王。決勝だったと思うけど、自分が決められるボールを1年生の北嶋にパスして得点をアシストした選手。
得点王は確定していたのかもしれないけど、次の年代のエースに自信をつけさせるパスに、ちょっと感動した覚えがあった。
ジェフに入団して全く試合に出れずに引退した事は知っていたけど、どうしてだったのか、その後どうしているのかって、少し気になっていたのがこの本を買うきっかけだった。
財前宣之、礒貝洋光は天才と呼ばれていたし、他の選手たちも日本代表を背負って立つ選手になるだろうと期待された選手たち。彼らがどうサッカーと向き合って、今はどうしているか。一定年代以上のサッカーファンなら礒貝、プロゴルファー転向(かなり太ったらしい)というのは知っていると思うけど…
結局、サッカーで生活できるのは一握りの人だし、自分の中でどう判断をするか。
財前さん、船越さんは周りに生かされ、礒貝さんは自分の強い意思で決め、森崎さんは自分で見切りをつけた。一木さんは怪我がきっかけで。
それぞれ自分の道を切り開いてるんだな。
目標を持ち、現実とどう折り合いをつけるか。いかに決断するか。
多分、その繰り返し。
そうして誠実に向き合っていれば、チャンスはやって来るのかもしれない。
船越さんのアルビレックスU-13コーチ時代のインタビューも入っていて、その後のキャリアを知っていると、役に立ているんだろうなとアルビレックスサポーターとしてはにんまり。
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