2011年3月11日に発生した東日本大震災。
その日、自分は東京都調布市の事務所のデスクでいつもの通り仕事をしていた。
揺れてるなと思ったがいつまでも揺れが収まらなくて、社長の後ろのキャビネットを見ると大きく揺れていた。本人は呆けたようにじっと座っていたが、ヤバいから壁から離れてと言った覚えがある。
一旦駐車場へ避難した後、被害の無い事を確認していると、誰かが高さ30mの津波がっ…て言った。
30cmの間違いだろと言ったが、実際に被災地では高さ30mの津波の津波が襲った地域があったんだ。
その日は電車が止まっていたし、帰れないお客さんもいたしで泊り、よく日の朝帰った。
JRはまだ動いてなくて、東横線も各駅停車のみ。よく晴れた土曜日の朝、家に帰ったのを覚えている。
中目黒では電車の窓越しに、店の中で寝ている人が見えたっけ。
あれから今年で5年が経とうとしているけど、普通に暮らしている自分達の意識に震災の事がのぼる事は少なくなった。
世の中はアベノミクスによる景気問題や東京五輪の話題、次々と新しい話題が出てきては消える。
復興税も個人分はまだあるが、法人分はとっくに期間前倒しで終了している。
この間は震災復興工事で不適切な施工があったと問題になったけど、そんな事でもないと話題にならなくなっている。
そんな事を感じて自戒と共に読み返してみた。
この本は、震災が起きた後、4月と5月に著者が取材したものをまとめたもの。
被災地の悲惨な状況は、ひしひしと伝わってくるが、同時に生き残った人たちの姿、気仙沼高校の避難所の人々の人間模様が描かれている。
①動かない善人よりは、動く悪人
②善意で手を伸ばし、欲でつかむ
頼りになるのは綺麗事を言って動かない人より、自己中心的でも動く人なんだ。
それは平時でも同じ。
エピソードは悲惨だけど、人の行動をまわりに落とし込んでいくと、驚くほど一致する。
人間は何があっても変わらないと気付かせてくれた。
この本の印税は必要経費を除いて寄付に回るという。
Jリーグでは募金を募っているクラブもあるし、川崎や仙台のように被災地でイベントを仕掛けるクラブもある。
何かできる事はないか、もう一度考えて実行してみてもいいんじゃないかな。
とにかく、忘れてはいけない。
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