個人的には北村薫さんと言えば「円紫さんと私」シリーズだけど、これは「私のベッキー」シリーズの第1作。
舞台は昭和7年。華族の10代半ばで女学校に通う花村英子の運転手兼護衛についた少し年上の別宮(べっく)みつ子。彼女の愛称がベッキーさん。
愛称はその時に英子が読んでいた19世紀のイギリスの作家、サッカレーの書いた「虚栄の市」の登場人物“レベッカ(ベッキー)・シャープ”から。
名字の読みが似ていたからではあるけど、その謎めいたところもベッキーなのかもしれない。
いわゆる推理小説で謎を解くのは英子なのだけど、その推理の補助線を引くのはベッキーさんという形。
昭和7年という年代設定は、やはり江戸川乱歩リスペクトなのかな。
また、ベッキーさんのキャラクターを作る上で必要なのだと思う。
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