2016年1月15日金曜日

【松田優作+丸山昇一 未発表シナリオ集】 松田優作 丸山昇一 著 幻冬舎 1995年11月7日第1刷発行

大昔に読んだ本を読み返している。この本なんて中の紙の色が変わっちゃっている。
中身は1989年11月6日に亡くなった俳優の松田優作さん向けに脚本家の丸山昇一さんが書いたシナリオで、未発表となっていた作品をまとめたもの。

丸山昇一さんは、松田優作さんの主演する作品のシナリオを多く手掛けている事が知られている。
その丸山さんが、松田優作さんにアテ書き(本人を主演とする事が前提)した未発表のシナリオ集。
読んでもらう前に亡くなったという『緑色の血が流れる』以外は本人からOKを貰っていたと言うから、その作品について周りが語れる事は無いだろうし。

読んでいると、そこに松田優作という役者が浮かんでくる。他の役者さんでは演じる事が難しいだろうな。このシナリオは他の人が演じたらリアリティが無くなる。それくらいの存在感を持った役者さんだったよなと、読みながら思った。
あの人は?この人では?みたいに想像してみるけど…
もちろん、時代というモノのせいでもある。
逆に言えば、書かれた時代と松田優作という俳優の事を知らないで読んだら何これ?ってなるかもしれないな。

収録作品は
・荒神(中上健次)
・たった一人のオリンピック(山際淳司 ノンフィクション)
・船頭・深谷心平
・プロデュース
・チャイナ・タウン
・緑色の血が流れる
の6作品で、興味深いエピソードも語られいる。

『荒神』と『たった一人のオリンピック』は元になる作品が読めるから、雰囲気は分るかな?
いや、『たった一人のオリンピック』は随分印象が変わっているかも。

0 件のコメント:

コメントを投稿