2012年3月20日火曜日

【永遠の0】百田尚樹 著 講談社文庫刊 2009年7月15日第1刷発行

尊敬する祖父とは違う、特攻隊員だった実の祖父がいかに生きたかを、孫の姉弟が戦友たちを訪ねて浮き彫りにする物語。
妻子のために生きて帰ることを公言した飛行兵が如何に生き、如何に特攻で死んで行ったのか。
その物語は戦争の悲惨さを教えてくれる。
耳障りのよいことや、自虐的なことばかりが溢れる太平洋戦争。
考えてみれば、その史観は生き残った側、勝った側から語られた事だった。
従軍した兵士から語られる事は、重すぎて無意識に避けていたんだと思う。
そういう意味で、この小説の意義は大きい。

東京裁判も名目は間違いでも、多くの日本兵を無駄に死に追いやった者を裁いたという観点も、持てなくはない。
もっとも、東京大空襲など民間人を狙った殺戮や広島、長崎も同時に問われなければ公正な裁判とは言えないけど。
過ぎ去った事であるけど、アメリカという国の過去にしてきた事は覚えておくべきだ。
TPP協定を結ぶのなら、尚更ね。

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