第10回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
久々に一人称ハードボイルドを読んだ。
他人事ながら、なんか気恥ずかしいな。なんか一々例えがデフォルメされているようで。
まあ、そういうもんだ。と思ってるんだけど。
個人的には物語の真相が安易で後味が悪い様に思えた。
正直に言ってしまえば、趣味じゃない。
猟奇殺人事件の国選弁護人として選ばれた私は、その捜査に疑問を抱くが、検事と裁判官は状況から犯人を決めつけていた。
その状況を打開するためにルール破りを行い、弁護士資格を停止され、アルバイトしていた探偵事務所で、美女に離婚調査を依頼される・・・
猟奇殺人の被害者母子の夫の医師、犯人として逮捕された精神病患者、その患者が入院している病院関係者。
ミステリーの舞台としては悪くないんだけど。
“天使の分け前”って、グラスに注がれたウイスキーが蒸発したからって、そんな言い方は無い。
方向音痴な感傷だ。
天使は、人が口をつけたグラスから盗み飲みするほどデリカシーが無いわけがないと思うよ。
ただ、それが“私”なりの弔いの方法なんだろう。
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