このシリーズ、ミステリーと言うよりは、知っているという事がポイントで、なぞ解きを楽しみたいという人には不向きかもしれない。
でも、(作品の中の)現実の事件と、歴史上の出来事を絡めて物語を進めてゆくのは、とても楽しく読める。
この作品は、和歌山で起こった殺人事件と、その地域の神社の伝説・信仰を絡め、三種の神器について考察している。
中で、いざなぎ、いざなみ(文中では、ちゃんと漢字で表記されています)の国造りの神が天皇家に大切に扱われていないという事について触れているけど、その通り。
古事記は、今の天皇家が覇権を取っていく中で、征服してきた他部族の長たちを神として取り込んで、怨みを封印しているという考え方がある。
国造りの神が国を造った後、天から降臨してきたのが今の天皇家の祖先という事になってるから、当然、彼らも占領され、滅ぼされた長の事だろう。
神社の祭神とその性格。京都、奈良を中心とした神社の配置など、検証はしていないけど、へえ~って、素直に驚いた。
緯度・経度や距離。
昔の人はどうやって測ったんだろうね。
ミステリーといより、その着眼、知識に驚かされる。
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