2008年に表題作【傍聞き】は第61回 日本推理作家協会短編部門賞受賞作品。
小説推理の掲載作だったらしいけど、当時は小説推理とか読まなくなってたなぁ。この文庫本は掲載された4作品(迷走、傍聞き、899、迷い箱)が収録されている。いや、ちゃんと読まなきゃと、少し思った。
【傍聞き】主人公が、作中に娘に言葉の意味を説明するんだけど、それを読みながらも結末に、ほろりとさせられる技。
夫を、逮捕した犯罪者に殺された母子家庭。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、その意図に心揺さぶられるこの作品が、やっぱりベストかな。
収録されている作品すべて、主人公の主観が強く反映されている。
もちろん、実際他人の気持ちなんてわかるわけはないから、それは良い。
ただ、推理小説としてみれば、読者は物語の周辺情報を地の文からしか得る事が出来ないわけだからねなんていっても、そこのバランスがこの物語を成り立たせているわけで。
推理小説とドラマの、見事な両立だ。
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