函館港イルミナシオン映画祭 シナリオ大賞、今年は【あんぽんたんとイカレポンチキ】(山崎佐保子 作)、【リアルファミリー】(園田新 作)の2作品が受賞している。
この賞の審査員の方々の口から、素直なお褒めの言葉は期待できないのか、応募作品の水準がそれなりなのか。
まあ映像化される可能性が高いシナリオ大賞であるわけだから、審査の目も厳しいという事なのかな。
今年もグランプリ(市長賞)を穫った作品の選評は厳しいものだ。
グランプリが2作品という事は賞金もそれぞれ・・・と思ったら半分ずつらしい。
【あんぽんたんとイカレポンチキ】
失踪した母の死を契機とした父と娘の家族再生の物語で、取って付けた軽さ(自転車旅行の二人組のエピソードとか)をもう一工夫すればって思った。
もしくは、全体をもっとファンタジーっぽい軽いノリにするとかね。
トーンが混ざっちゃって、個人的には違和感があった。
枚数制限もあるだろうし、「撮り方次第。行間を読んで。」と考えて省略してるんだろうな。
でも、個人的にはもっと書き込んで良いんじゃないかと思うところもある。
昨年は「死にゆく妻との旅路」とか、「星守る犬」とか、ロードムービーが劇場で公開されているけど、興行的には大成功とは行っていない。
なかなか難しいジャンルなんだと思う。
【リアルファミリー】
これも家族の再生の物語。
シナリオとしては、とっても良く書けていると思う。
過不足なしって感じ。
身ごもった恋人を交通事故で失った男が、嘘の恋人になってくれと頼まれ、行きがかり上結婚の偽装。捨て子を育て、孤児を引き取り、実の夫婦、親子のように暮らしていく。
しかし、男の過剰な家族へのこだわりが疑似家族にひびを入れる。
一旦はバラバラになった家族が、家族を失った事の喪失感に戻って来る。
現実には、家族第一で休日出勤を拒否して解雇されたような男が、放火犯の息子を持ちながら普通に会社務めが出来るのか。
息子も、それで家族の大切さを知りましたですむ話なのかなぁってのが、物語としての難点だね。
0 件のコメント:
コメントを投稿