2011年12月25日日曜日

【大分トリニータの15年 社長・溝畑宏の天国と地獄】木村元彦 著 2010年5月30日 集英社刊

新潟サポ目線で、読んでみた。

アルビレックス新潟と大分トリニータは、似たところがある。
それは、親会社を持たないところで、地域リーグからJリーグ参入を目ざしたところ。
一人のカリスマがチームをJリーグへ引っ張って行ったところ。
新潟の池田弘はアトランタで、大分の溝畑宏はイタリアでワールドカップの魅力に取りつかれ、周りの人々を巻き込みながら、それぞれのクラブ造りへ邁進して行く。
ただ、池田がビジネスマン(神主さんでもあるけど)だったけど、溝畑は通産官僚(凄腕のビジネスマンとしての才能もある)だった。
新潟は県サッカー協会が協力的だったけど、大分では県サッカー協会は懐疑的であった。

この本は、大分の前回の失敗の本質を描いている。
強烈なキャラクターと強引な手法の故、大分では周りに煙たがられ、信頼されず、権力を利用して出来た組織ゆえ、権力者の交代によって、基盤を失った。
もちろん、Jリーグのスポンサーに対する態度に問題があった事も大きいが。

自分がこのチームのサポであったらと思うと、いたたまれない。
この本を読む限りでは、この人を否定する事は、大分トリニータというクラブを否定する事になりかねないし。
物事は、きれい事だけじゃない。表裏があって、それを併せ飲まなければならない。
功績と批判を、それぞれ評価していかなければならない。

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