2011年11月23日水曜日

日本における映画の著作権侵害による損失って、そんなにあったの?

モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)の日本における代表団体・日本映画著作権協会(JIMCA)は先ごろ、09年10月から10年9月の1年間に、映画の著作権侵害によって日本経済に564億円の損失があったという調査結果を発表した。


という記事を見て、そんなにあったのかという気持ちと、著作権侵害による直接の被害だけでなく、それに関わるあらゆるものをトータルした金額のようだけど、どう金額換算したんだという疑問が浮かんだ。
調査主体のMPAは、アメリカの映画・映像著作物の著作権保護団体。
外部の調査会社2社(イソプス、オックスフォード・エコノミクス)に調査を委託して行ったもの。
しかし、564億円って金額は少なくはないよね。


で、それらはどんな会社で、他にはどんな調査を行ってたかググってみた。
まあ、両方ともアメリカの調査会社で、
イソプス…ロイター通信社との共同調査“宇宙人は地球に来ていて、地球人のふりをして暮らしている”5人に1人(2010年4月)
オックスフォード・エコノミクス…ドバイ航空産業の成長を検証した調査(エミレーツ航空とドバイ国際空港の依頼によるもの)(2011年6月)
ここの会長さん、日本国際問題研究所と言う所で、「東日本大震災がアジアの発展と世界経済の
回復に与える影響」という講演も行っている。(2011年4月)
イソプスって、ちょっとインパクトあり過ぎな所が映画産業向きなのか・・・。


で、肝心の数字の話。
この調査って、サンプル数が3,000人、調査方法もインターネットを使ったものだから、素直にその回答率を使って計算すれば、とんでもない事になるのは予想できる。どんな係数を使って算出したのか、興味あるな。
この数字を、まともにとるかどうかは別として、確かに違法コピーやアップロードはあるし、私的複製の範囲の認識っていうのも、多分一般のコンセンサスが取れていない。
法律でこうなっているんだって言っても、NHKの受信料と一緒で、知っちゃいるけど現実はね・・・って所があるんじゃないだろうか。
また、You Tubeとかにアップロードしてしまうってのは、ほかのユーザに感謝されて気持ちいいってのがあると思うんだけど、法律に触れるんだよって事は強く認識させなきゃ。
この辺、TPPに加盟すると、強制的に告訴される事になるんじゃないのって話が出ていたな。
そこら辺と絡めての発表なんだろうか。


【参考】
この調査年度2009年10月から2010年9月って、映画的には「アバター」とかがあって、ある意味3D映画普及元年って位置づけられる年かもしれない。
3Dって海賊版とか出にくいし、観客に満足感を与えるとともに入場料は高めに出来るっていう、普及すればコンテンツサプライヤーにとって有難い存在だよね。

ちょっと期間がずれるけど、2010年度の映画の興業収入は2,207億円(日本映画製作者連盟調べ)。映像ソフトの売り上げは2,665億円(日本映像ソフト協会調べ)。
これに地上波、衛星などのテレビ放映料や配信料、海外への権利販売、キャラクター商品の売り上げ、場合によっては映画化権の販売とかの売り上げを足したものが映画全体の売上。

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