2011年10月29日土曜日

TOHOシネマズの実験終了

TOHOシネマズが、映画料金の引き下げ実験を行うと発表したのは、今年の1月の事だった。
映画の鑑賞料金は興行会社の営業方針や地域性(劇場の立地や施設の多様性)などの要素がからみ、まちまちだ。
その辺からTOHOシネマズは、この春から劇場を限って一般料金の1,800円を1,500円に、高校生を1,500円から1,000円に値下げして、映画の窓口売りの基本料金を下げるというテストを実施していた。
テスト劇場間で若干の差はあったようだけど、入場者数でおおよそ全国平均と比べて5%前後のダウンが見られたという事だ。
TOHOシネマズでは、この結果を、基本料金を値下げしたことに、想定より支持が集まらず、レディース、シニア、レイトショーの終了に伴って他社での鑑賞に切り替えられた減少分をカバーするまでには至らなかったと判断し、テストを半年早く打ち切る事を決めたという事。

このブログでも、1月にこの試みに触れているけど、映画観客動員数を増やしたいなら、1800円払って観たい映画を作るのが筋ってもんだと思っていた。
そうはいっても、TOHOシネマズは興行会社だし、東宝自体は、自社で映画作ってるわけでもないしと…でも、良い映画を作る環境を作る事は出来ると思うんだよね。
http://shinyamashita.blogspot.com/2011/01/toho.html
娯楽が多様化する中で、一定の時間を一つの空間で、いろいろ制限されながら1800円払わせて過ごすっていう事を選択させるには、相当のパワーが必要だって事。
逆に1800円より高くても『ゲキシネ』とか、お客さん一杯になる(まあ、公開館数がめちゃくちゃ少ないってのもあるけど。)コンテンツもあるわけだし、問題は値段だけじゃない。
1800円って言っているけど前売り券を買えば実際1400円とか1500円とかで観られるし、映画の日やレイトショー、劇場ごとに設定されている割引システムなんかを使えば1500円って、お得感が無い料金設定だったと思うし、『大鹿村騒動記』みたいに1000円で興行している作品もあるわけで。
1800円が問題じゃないってことが分っただけでも、この実験には意味があったんじゃないかな。

TOHOシネマズでは、高校生料金については好評だったことや未来の映画ファン育成の観点から、テスト7劇場においては1,000円に、シネマイレージ会員の特典についても、テスト7劇場においては、常時1,300円に据え置く。
テスト7劇場以外の劇場での鑑賞料金については、これらからの状況を慎重に検証した上で、判断していきたいとの事。
TOHOシネマズ、テスト打ち切りの判断の早さを含めて、ここいらへん、きっちりしてるよなって思った。

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