2011年10月6日木曜日

【海賊の経済学 見えざるフックの秘密】ピーター・T・リーソン著 山形浩生訳 NTT出版 2011年3月

まあ、背表紙に書いてある煽り『経済学の力を伝える快作 若田部正澄氏絶賛』というのは、言葉が正確じゃないんだろうな。表1の『レヴィットらの「ヤバい経済学」に続く久々に痛快な経済書だ』ってのが正確なコメントなんだろうね。
だって、経済学の力なんて、ないんだもん。
この本で、繰り返しいやになるくらい言っているのは、必要に迫られた合理性の話や手練手管の話で、それが経済学の理論に落としこまれるってのは、むしろ後追い学問(結果論)として定評のある経済学の真骨頂だ。
経済学は過去を述べる事は出来るけど、未来を語る事は難しい。
経済学者が言う事が正しければ、経済学者はみんな大富豪だけど、自分が大学で学んでいたころは、ケインズ卿くらいか、金持ちになったのはってネタになっていたくらい。

数字が出てこない経済書で、面白く読めるし、場合によってはためになる。
なぜ今に伝えられる海賊の姿になったのか。
経済的合理性という観点で分析を行っている本。

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