2011年7月10日日曜日

【この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将 根本博の奇跡】 門田隆将著 集英社 2010年4月

今は中国の内モンゴル自治区と呼ばれる地域に第2次世界大戦中、駐留していた北支那方面軍司令官 根本博中将が、日本の無条件降伏を受けても日本人入植者を守るためにソ連軍と戦い続け、蒋介石の中華民国軍へ武装解除。中華民国の庇護のもと入植者を帰国させたのち、共産党軍に追われ台湾へ渡った恩のある蒋介石の窮地を救うため台湾へ密航。軍事顧問として金門島の戦いを勝利に導いて帰国するというお話、というかノンフィクション。
そこで、金門島が墜ちていれば台湾の自治はなく、その後の世界は今とはずいぶん変わったんじゃないかと思う。

恩を返すために占領軍の目を盗んで命がけで台湾へ密航する。その思いを周りの人が支える。という行為も凄いけど、入植者の命を救うため、武装解除命令に抗して戦い続けるという精神力、そんなの有りかと思う。いかに降伏するかという、絶対に勝利の無い戦いを戦うわけだから。

著者は、関東軍が素直に武装解除した結果、シベリア抑留や残留孤児の問題が多く発生したと指摘している。
軍の使命は、国民の生命を守る事として、ソ連軍の非道な行いを防ぐために、降伏せよという命令に従わずに戦い続けるというのは、軍人として困難な選択であったと思う。
国際情勢を読み、自らの使命を弁えて、行うべき事を行う。

今の日本の状況は、どうだろうか。

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