2011年6月18日土曜日

IMFと消費税

国際通貨基金(IMF)の対日審査長を務めるプラダン・アジア太平洋局上級顧問らが、「日本における消費税引き上げ なぜ、いつ、どのように行うか」と題した報告書で、具体的に日本に対して現在5%の消費税について、「景気回復が見込まれる2012年から段階的に引き上げ、2017年に15%にすべきだ」との提言を発表したとのこと。
理事会決議を経た正式な提言ではなく、IMFスタッフの見解との位置づけらしいけど。

提言では、増税措置のなかで、消費税引き上げが最も適していると指摘している。
理由として、経済モデルを通じた分析で、
・消費税が経済成長に対する悪影響が最も小さい
・課税ベースが広い
・先進国のなかで日本の税率は低い方で課税余地が大きい
などを挙げてるということだけれど、税というのは、その国の社会習慣や仕組に寄り添っていかなければならない。

税で社会を変えるということはできると思うけれど、それはやって良い事ではないだろう。
それは税の役割ではないし、その決定プロセスにそれを妥当とさせる手続きを備えていないからだ。
それをやるのは政治の役割だけど、今の政府にそれが出来るのか。
この報告書のように安易に消費税上げに走っているようにしか見えない。
というか、財務省あたりがIMFにこうしたレポートを出させたなんて事もなくも無いのかなって感じる。なにしろ外圧に弱いというお国柄だけに。

まじめに政策について考えれば、“日本の”消費税は、税負担が税額的に公平というだけに、可処分所得の少ない層の生活を圧迫する。
そういった部分は、社会保障で賄えという提言でもあるらしいが、社会保障の仕組みを作るにもコストがかかるし、仕組みには漏れや抜け穴が出来るもの。
まして、そういった仕組みの実施が増税のタイミングでされればよいのだけれど。

生活のキャッシュフローという面から考えれば、増税した分、様々な社会サービスの無料化を行わなければ生活弱者を生み出すだけに終わるんじゃないだろうか。
生活の支出は、平準化できるモノとできないモノがあるのだから、一定額をキャッシュで支給するなんて子供手当みたいなマヌケな政策じゃ駄目。
でも、税が上がる以上、生活費を納税と同時に軽減させるか補助するかする方法をちゃんと考えなきゃ。
こういう事を、経済の理論モデルをこねくり回している人たちや、歳費をたっぷりもらって生活に困らない政治家の 方々が真剣に考えることが出来るんだろうか。

IMFについては、このブログで以前【世界を不幸にしたグローバリズムの正体】という本を読んだ際に多分UPしていると思うけど、まあ当てにするのが間違いくらいのスタンスを持って見るべきだと思っている。
彼らの政策が失敗しても、彼らの責任が直接問われる事はないしね。
ましてや、最近の専務理事選のニュースなんて眺めていると、完全に利権構造があるとしか思えない。
そんな機関の言うことなんて100%聞く耳持つ必要無いだろう。

政治家については、政治家は国民のレベルを越えられないっていう事もあるわけで、自分たちがもっとしっかりしなきゃいけないんだろうなという事を考えて、このブログを書いている。

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