著者はブローガーで会計士研究家だそう。
複式簿記が生まれたとされる中世ヨーロッパ以降は知識として持っていましたけれど、そういう発想はありませんでした。
なるほど確かにもののやり取りが発生すれば記録が必要になるし、それが顔見知りや世間の狭い範囲なら文字は必要ないだろうし、現代でも文字を持たない民族があると聞いたことがあります。
文字より先に簿記が生まれたのは、簡単に言えば文字は生きる上で当座必要のない記録であり、簿記は豊かな生活をする上では必要であるという事でしょうか。
そして財産が蓄積してくると、正確に把握していなければ生活は破綻します。
それが国家レベルで起きたのがスペインの没落やフランス革命と考えると財産を把握する簿記の重要性がわかります。
なぜ日本経済が停滞しているのかの考察もありますが、社会が成熟し、かつ人口減に至った場合はこれまでの経済指標ではなく別の尺度を使った評価をするべきなのだろうなと思います。
簿記は財産状況を正確に表すツールで、人は利益の最大化を目標として経済活動を行う事で評価されてきましたが、日本のように経済が発展し社会インフラが整った安全で便利な国と、経済が発展途上でいろいろ整備中の国とでは指標が異なるのは当たり前です。今後は、それをどう表現して指標化して一般化していくのかをしていかないと、いたずらに経済格差が拡がって不幸な社会が出来上がるんだろうなと感じます。
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