昔々、北野武監督が「ソナチネ」を撮った時、製作した松竹の担当取締役だった奥山和由さんのクビが飛んだ。
松竹は前作の「あの夏、いちばん静かな海」をイメージしていたのだろうけど、出来あがってきたのは「その男、凶暴につき」からのバイオレンス路線の映画。興行成績はメタメタだった。自分は横浜シネマリンで初日に観たけど、5割の入りだったかな。
その北野監督が、役者 ビートたけしとして重要な役を演じたこの作品について「自分の映画じゃないから」(自分なら撮らない)みたいなコメントを出していたと思うけど、ソナチネの事が頭にあったのかなあ。決して否定的な意味ではなく、観念的なものを描くと興行的に厳しいよと。実際、この作品のお客さんの入りも厳しいらしい。
3作品目が書けないスランプに陥っている主人公の小説家が妻と滞在するホテルのプールで、初老の男と若い女のカップルを見るところから物語が始まる。
現実と虚構が交錯する様は無意識に見るものを混乱させる。ただ眺めていればいい映画というモノもあるが、これはそうではない。キャスティングは嵌っていて、シーンだけを観る分にはそれはそれでという映画。
1回観ただけでは語るのが難しい映画だと思うが、2回観るかどうか…
0 件のコメント:
コメントを投稿