タイトルからして分るとおり、クルーグマンは今の状態を終わらせる方法が分っていると思っている。
ニューディール政策並みのインパクトを持った公共セクションの投資。
しかし、彼には見えない壁があって、その政策はとられない。
そのイライラがタイトルになっているんだろう。
本当に読み進めているうちに、クルーグマンのフラストレーションが身にしみる。
でも、それが正しいかどうかは、分らないんだけどね。
理屈の上では正しいとは思うけれど。
なぜその政策がとられないのか。
彼ほどの経験と能力があって分らないのに、自分が分るとは思えないけど、そこにあるのは自由主義型資本主義の自己弁護性だと思う。
つまり、こういうルールでこうするって言っているのに、そのルールから逸脱した行為を行う事は許さないって事。
銀行の自己資本比率はX%であれば適正であるとか、こういう債務比率の国家は健全ではないとか。
本当に大切なのは数字じゃなくて、その数字がおかれている状況なんだと思うけど、“それって数値化が出来ないから投資判断が下せません。数値に基づかないで投資して失敗したら説明が面倒だし、みんなそういう事にしておこうよ”っていう投機家たちの暗黙の同意。
つまり、実際にどうなっているのかを追求するんじゃなく、こういう事で有ればこういう事にしようって公式を使う事にしている。だから、正解かもしれないけど、それと違う事はさせないんだよって事。
面倒な所は端折って、美味しい所だけ持っていこう。
TPPとか言っているくせにナショナリズムが台頭してたりするという矛盾に満ちた状況を説明するのは、こういう事だろうねって思っている。
「単純なルールを使って、自分だけお金儲けしたい。だから余計な事をするんじゃない。」
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