たぶん、これは著者がその時期でなければ書けなかった作品だよねって思う。
大人になる直前の記憶を、こんな風って、周りに納得させる事が出来るように書く。
田舎の県立高校のバレーボール部の不動のキャプテンと思われた桐島くんが部活をやめた事による直接、間接の影響の物語。
本人が登場せずにエピソードを積み重ねるっていう手法。
その舞台の設定時期の妙で、読ませる作品となっている。
個人的にはうんざりな部分もあるけどね。
当人が登場しないで物語が進行して行くという括りで言えば、2009年に吉川英治文学賞を受賞した【田村はまだか】(朝倉かすみ)って作品があるけど、あちらは当人のエピソードもつづられているわけで。
しかし、この作品の中での桐島という人物像は、多分読んだ人の数だけいるんだろうなってレベルで、キッチリ書かれてはいない。
映画化されるそうだけど、そこのところをキッチリ踏まえないと難しいんじゃないかな。
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