2011年10月15日土曜日

映画【アジアの純真】のシナリオを読む

脚本:井上淳一 監督:片嶋一貴 製作:ドッグシュガー / 2009年 PURE ASIAN PROJECT
今日、新宿K's cinemaで初日を迎える。
製作が2009年で、公開が今年(2011年)という事は、まさに2年近く寝ていた事になる。
『シナリオ 2011年11月号』で、脚本の井上淳一さんが書いた“シナリオ「アジアの純真」が立ち上がるまで”を読むと、脚本ありきでスタートした映画だという。
1月末のロッテルダム映画祭で公開され、シネマトゥデイに紹介されると、いわゆるネトウヨの批判で、主演女優のブログや2ちゃんねるのスレッドが炎上したという。
ネット上で礼節や節度を求めるのが無理だと思う(それがそれでいいのかってのは別の話)けど、「北朝鮮の女子高生を集団で殺したことへの復讐劇・・・日本人を皆殺しにする?あまりの問題作に上映不可能?」というシネマトゥデイの煽りにも問題が無かったわけではないのかな。
そこを刺激して話題を作ろうとしたってのは否めない事実なんでしょう。
しかし、その時点で、映画の完成から1年半という事だから、劇場公開のためにも知名度を上げるのに必死という気持ちは分る。

そういう、映画とは直接無い話は置いておいて、シナリオの話。
イベントは書きこんでいるけど、深い感情表現は監督に任せる。
そんなシナリオに読めた。
未完成のまま少年と少女が船で海に出るシーンまでで監督に見せたという事だけど、そこから先は確かに取ってつけたようだ。映像にするにはちょっとハードルが高い感じでもあるし。
ある程度、前半ドラマで書き込んできたのものが、後半荒唐無稽なビジュアル・メインのお話に変わるわけで・・・というか、ここでフィクション性を強めることで前半のテーマの拡散させようという事なのだろうか。
日本をぶっ壊しちぇえって、酔っ払いの戯言みたいなものを、映像化してみました事なのかなぁ。
タイトルはPUFFYの『アジアの純真』から採ったんだろうけど、あんな感じでぶっ飛んでって言っても、もうちょっと推進力が無いと、ぶっ飛びきれないよね。

個人の正義と社会の正義。それでいいのかって閉塞感はある。
そういう所がきっかけで創られたシナリオなんだろう。
シネマトゥデイの煽りは、少し不適切で、そこから逆に色眼鏡で見られた所もあるだろうなといのが残念といえば残念。

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