2011年8月27日土曜日

【歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか】 保阪正康 著 朝日新書 2011年8月

北方4島、竹島、尖閣諸島の領土問題を歴史文献から紐解き、そもそも領土と主張する根拠は何なのか。どう考えるべきなのかを考察した本。

漁業資源や埋蔵資源が無ければ、また政治的思想的対立が無ければ問題なんて起きなかったんだろうね。
北方領土問題はスターリンの領土拡張政策が無ければソ連の犯罪行為で不法占拠される事も無かったわけだし、竹島は李承晩ラインという排他的経済水域を韓国が設定しなければ尖鋭化しなかった問題。
尖閣諸島に至っては、埋蔵資源が無ければ中国は関心も示さなかったもの。
ただ、主張があるという事は、それが歴史の解釈の相違でも、後付けでも、犯罪行為の結果でも、裏付けがあるという事で、裏付けを持っているのは、理解しなければならない。
この本では、現在の領土問題は第2次世界大戦の処理で米ソ中の政治的駆け引きで、日本領土の範囲を明確に定めなかった所に原因を求めている。
領土とはどのように決められるのかというのは、原理原則や正論の問題ではないと思う。そこには国や個人の利益が密接に絡んでくるからだ。
利益の独占や優先的権利。
今の世の中では変えられない事なんだろうな。
そして、日本という国と国民が不利益を被らないようにするには、国民が、そこがなぜ日本の領土なのかの論拠を分っておく必要がある。
(お国がうちの領土だと言ってるからなって言葉で、みんな一致できるレベルの国なら、それはそれで良いんだろうけど。)

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