2011年6月11日土曜日

【風のマジム】原田マハ著 2010年12月9日 講談社

この話の元になったグレイスラム株式会社のCOR COR(小説では“風のマジム”になるのかな)を、行きつけの酒屋で見つけて、調べていて、こんな本があるんだって知った。

“ほんとうにあった夢物語 契約社員から女社長に-実話を描いたサクセス・ストーリー”って帯に書いてある。
あとがきで、作者ご本人が小説を書きたかったと書いているけど、実話に砂糖をまぶしたようなお話な気がする。
でも、たまには甘いお話も良いかもしれません。

タイトルの「風のマジム」の“マジム”(=真心)は主人公の名前であり、“風のマジム”はこのお話で彼女の醸造所が作ったラムの名前です。

お話は、沖縄の企業で、社内起業のコンクールに応募した女性派遣社員が、南大東島で、島のサトウキビを使ってアグリコール・ラムを作る会社を起業し、社長になるというもの。

派遣社員の悩みから、家業と家族についての悩みも、おばあが“風の酒”と評したアグリコール・ラム「クレマン」が癒してくれる。
その味に魅せられ、社内ベンチャーで、沖縄の特産物であるサトウキビを使って、沖縄でラムを作りたいって夢を実現していくお話。

沖縄のお話って、何故だか、“おばあ”が絶大な存在感を持つ事が多いんだけど、このお話も、そう。
沖縄戦で多くの男性が死んでしまったって影響もあるんだと思うんだけど、なんと眩しくたくましいおばあが多い事か。
この物語の主人公、まじむも、年を取ったらそういうおばあになるんだろうな。
個人的に、おばあについては、幾多の物語で刷り込みが出来てるけれど、他の人物像の描き方が薄っぺらい気もする。そこのところは、まあ実話ベースだからね。
グレイス・ラムのHPを見ると、ちゃんと現実の物語が進んでいます。

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