2010年10月31日日曜日

「世界の涯ての弓」(林巧著)1998年

この頃、ちょっといろいろあったなぁ。
1998年は、ワールドカップを観にフランスへ行って、公園でボールを蹴って、リヨンでゴン・ゴールを観た年。

人は書きたい物語があって、物書きになる。それを書いてしまった後、どうするのか。または、どうなるのか。
この作品で、それの一例を感じる事が出来る。
作者はどうしているのかなと思って、ネットで検索してみると、彼はまだこの世界に囚われているようだ。それだけ大切な世界なんだと思う。

なかなか書きたいものを満足な形で表現するのは難しいけど、彼は多分それをやってしまったんだなと思う作品。
舞台は香港返還直前の東京~香港で、筒井康隆さんが「極北の幻想文学」と評した作品。
この作品を読むと、無性に弦楽曲が聴きたくなる。
ああ、かつて世界はそうあったんだって思う。

この本を読んだ頃から、自分はどう変わったのかな。

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