【奥様にヒゲのないわけ】扇谷正造 「バナナは皮を食う」暮らしの手帳 昭和の「食」ベストエッセイ集より 檀ふみ 選 暮しの手帖社 平成20年12月10日初版第１刷

著者の扇谷正造さんは、今年創刊101周年を迎えながら休刊した「週刊朝日」を戦後に１０万部から１５０万部の大週刊誌に育てた名編集長です。

ご自身の従軍経験から書かれたこのエッセイを読むと、一調理兵の絶望しながらも生きなければいけないという気持ちが迫ってきます。

戦場の過酷さ、いや戦場の場面は描かれていませんから命のやり取りをする場の上下関係や環境の劣悪さというべきでしょう。それがさらりと語られます。