原発事故。
そんなものが無くても普通に論理的思考が出来る者なら、核廃棄物処理という出口のない問題を知れば、原子力発電は未来の無い方法だと気付くはずだ。
多分この国に原子力発電を行わせたのは、将来の核武装に向けて。そして、当時最先端の学問のレベルを得るためだったんじゃないだろうかって思う。
この小説は、原発事故を中心に描いたモノではなく、それ以前に原発が存在する以上無くならない原発労働者を中心に描いた作品だ。
個人的には、原発の清掃アルバイトに行くなんて考えた事も無い。だって、それは自分の生命を、子供を作る気であれば、その子供にまで影響を及ぼしかねないってのを知っていたから。
しかし、この小説の中のように、深く考えない人が大多数だったんだなって、今回の事故で思ったわけだけれども。
そんな人たちのお話がメインで回っている。
ちょっと割のいいアルバイトのつもりが、友人の命を奪い、自分の命を、人生を蝕んでいく。
そこにチェルノブイリやら福島が・・・。
正直、お話の中で“拳銃”の使い方はどうなんだろう。
もうちょっとお話の仕方があった気がする。
伊坂幸太郎の【モダンタイムス】で「そういうことになっている」という世界が描かれていたけど、この原子力問題の現実も「そういうことになっている」んだろうな。
原発に賛成という際には、それに伴う問題も、よく考えてほしい。
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