ある意味、勇気とやさしさの物語。
本の帯にネタばれはある。
“原爆、国産プロジェクト!28年前の父の罪を負って、娘は逃げる、逃げる……
「核」をめぐる究極のポリティカル・サスペンス!“
正直、出てくる人たちはみんなやさしいなと思う。
瀬戸内の離島の漁師の娘として生まれ、社会学の大学講師となった娘が、癌で亡くなった父親から託されたデータを持ち、その真相を知ろうと公安警察から逃れる。
作者の視点は常に前を、正しい方向は何処か、という事に向いているように思う。
普通に考えて、被爆国であるこの国が原子力発電を受け入れたという事は、原子爆弾開発を目指しても不思議ではない。
大国として発言力を持つには、国を守るには原子力爆弾保持が手っ取り早い。
現在、それを行わずに発言力を持っているのはアメリカの核の傘に守られているからだという理屈は、まあその通りだと思う。
おそらく、福島の原発事故、尖閣諸島の米軍対応と言う事も念頭にあって書かれた物語だと思うけど、とにかくみんなやさしいなと思う。
その上で、国益とは?愛国心とは?という事を問うている。
基本は、それはそんな特別な事ではなく、生きて行く上での姿勢の問題だと思う。
多分、そういう事。
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