今、議論されているグローバル化、自由化について、極端な舞台設定での物語。
グローバルを名目に中国・韓国・北朝鮮と合併し、第3地域と呼ばれ、実質中国の支配下になった日本。中国で発生した分裂騒ぎに乗じて独立をかちとった日本の革命指導者は選挙で圧勝し、参議院廃止、首相公選制実施、道州制導入を実現する。
1院制となり歯止めを失った議会は歯止めを失い、カリスマ性を持った革命指導者の下、急激に自由化を推し進める。
公共サービス、国防すらも民営化され、道州制により財政も分断された地方はどんどん荒廃して行く日本。
その現状は、自分達が目指した日本ではないと、革命組織のメンバーは再度革命を目指す…
ストーリーはそんな感じ。
小説としては、お話の骨格はともかく、キャラクターの描き込みや展開の描き方は、ちょっと出版するレベルにはないと思う。言葉の誤用もあるようだし、これは編集者にも問題がありそう。
ただ、提起された問題は大切な事であることには変わりない。
自由化について語られる際に忘れられがちなのは、自由には自己責任がつきものという事。
決して、自由化することで不利益を被る人がいるという視点だけで語ってはいけない。
コストダウンには、それが可能なだけの理由があるので、デメリットも小さくないという事。
そういう事を忘れたポピュリズムは顔のない独裁者になるという訴えは、その通り。
0 件のコメント:
コメントを投稿