Jリーグは7月12日にクラブライセンス制導入1年目 2012年度のクラブ経営情報を開示した。
経常損益が単年度で赤字のクラブは前年度の18から12に減少。債務超過も11クラブから9クラブに減少。
債務超過が2014年度までに解消できないまたは単年度赤字が3期連続の場合はクラブライセンス停止になるから、各クラブとも必死だ。
営業収入は53億5,300万円で、8年連続で浦和が首位だけど、収入自体は5年連続の前年割れ。
横浜FMは、6億2,900万円の当期損失で、債務超過16億7,700万円。
ちなみに、2012シーズンはJ1が18、J2が22(2クラブ増加)の計40クラブ。
札幌・G大阪・神戸がJ2降格、甲府・湘南が自動昇格、大分がプレーオフの結果J1へ昇格した。
Jクラブ経営情報開示の概要
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J1 1クラブ当たりの平均営業収入 ・・・ 31億5,200万円(前年比+8%)
新潟24億500万円(前年22億2,700万円 前年比+8%)
新潟24億500万円(前年22億2,700万円 前年比+8%)
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J2 1クラブ当たりの平均営業収入 ・・・ 9億3,600万円(同▲8%)
J1、J2の前年比増減率がプラス・マイナスで同じだけど、当然J1の分母が大きい分総体でプラスになっているわけだよね。
このJ1、J2の増減についてはFC東京がJ2からJ1に再昇格した効果も大きいんだろうけど。
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広告料収入(1クラブ当たり)
・・・ (J1)13億9,800万円(同+6%)
新潟 9億4,100万円(前年9億1,900万円 前年比+2.4%)
・・・ (J1)13億9,800万円(同+6%)
新潟 9億4,100万円(前年9億1,900万円 前年比+2.4%)
広告料収入が10億円を超えていないのは新潟のほか、
札幌(4億7,500万円)
仙台(7億7,000万円)
神戸(7億4,200万円)
鳥栖(4億9,300万円)
の4チームだけ。神戸は意外。
10億円を超えていると言っても、実際は親会社からの支援だろって感じのチームがいくつかある。
Jの広告価値がどう評価されているのか。そういう点を考慮に入れて見なきゃ。
新潟は、コメリ効果なのかな。十分にありがたい話だ。でもあと一息。10億円の大台を達成して欲しいな。
・・・ (J2)4億5,100万円(同▲7%)
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入場料収入(1クラブ当たり)
・・・ (J1)6億6,300万円(同+10%)
新潟 6億6,100万円(前年7億100万円 前年比▲6%)
・・・ (J1)6億6,300万円(同+10%)
新潟 6億6,100万円(前年7億100万円 前年比▲6%)
平均を上回っているのは
仙台(7億6,400万円)
鹿島(7億2,000万円)
浦和(19億8,800万円)
F東京(8億1,700万円)
横浜FM(7億8,300万円)
名古屋(7億9,900万円)
の6クラブのみ
かつて4万人が集まると言われた東北電力ビッグスワンも、今は2万人前後。しかも元々学生料金設定が安いため入場人員に対して入場料収入が低い傾向があった。
しかし、落ち込んじゃってるなぁ。
・・・ (J2)1億5,400万円(同▲7%)
・・・ (J2)1億5,400万円(同▲7%)
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アカデミー関連収入(1クラブあたり)
・・・ (J1)3億390万円(同+21%)
新潟 1億3,700万円(前年1億1,800万円 前年比+16%)
・・・ (J1)3億390万円(同+21%)
新潟 1億3,700万円(前年1億1,800万円 前年比+16%)
J1平均は1億6,900万円。しかしC大阪は0円!あれだけ選手を輩出してるのに収入・支出が0って事は無いだろうから、何処かに入ってるのか、まさかの別法人なのか?
浦和も1,800万円って、異常に少ない。
額で言えば、一番多いのは横浜FMの4億5,800万円。次いでF東京の4億1,900万円、清水の3億1,500万円。
収支を見ると、やはりその3チームはそれぞれ1億4,300万円、1億7,400万円、1億7,900万円の黒字になっている。
黒字額で見ると、1億円を超える黒字を出しているのがあと1チーム。
神戸が1億1,800万円。収入が2億2,500万円に対し運営経費が1億700万円。
チームの姿勢ってのもあるだろうけど、横浜FM、F東京、清水って広域でいくつもスクールを持っているからね。
しかし、神戸は地域が狭いという面もあるけどユース経営の面で効率が良いな。
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その他収入(1クラブ当たり)
・・・
(J1)6億9,400万円(同+11%)
新潟 4億4,600万円(前年2億2,700万円 前年比+65%)
新潟 4億4,600万円(前年2億2,700万円 前年比+65%)
清水が10億5,100万円、F東京が10億1,700万円、鹿島9億8,800万円、浦和9億5,900万円。
多分ここにはグッズ関係の売り上げとかが入ってるんだろう。
新潟サポも、もう少し頑張らねばって・・・。
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チーム人件費(1クラブ当たり)
・・・
(J1)14億700万円(同+5%)
新潟 9億4,000万円(前年8億900万円 前年比+16%)
新潟 9億4,000万円(前年8億900万円 前年比+16%)
お金をかければ強いチームが出来るわけじゃないけど、やっぱ選手にはちゃんとした年俸を払ってあげたいし。
新潟も着実に中堅クラブとしての資格を備えつつあるけど、そういう意味では、もう少し頑張らなきゃ。
しかし、収入がなければ払う事も出来なわけで、観客増・収入増に向けてサポも、クラブも、選手も努力しようって話かな。
こういうのは率だけで測れないものだけど、新潟の人件費率は39%。J1平均では45%。
もう少し出せるんじゃ?と思ってしまいがちだけど、新潟は営業収支では4,500万円のマイナス。J1平均で100万円のプラスだからね。
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販売費および一般管理費(1クラブ当たり)
・・・
(J1)10億5,000万円(同+9%)
新潟 7億9,100万円(前年7億8,600万円 前年比+1%)
新潟 7億9,100万円(前年7億8,600万円 前年比+1%)
こりゃあ、新潟のクラブは相当頑張ってるよね。
売上に対する販管費の比率はJ1平均で33.3%。新潟は32.8%。
販管費で平均を超えているのは6クラブ
鹿島 15億1,700万円(販管比率36.5%)
浦和 22億6,500万円(販管比率42.3%)
川崎 10億9,000万円(販管比率35.5%)
横浜FM 15億2,800万円(販管比率41.1%)
清水 14億4,400万円(販管比率41.9%)
名古屋 12億6,300万円(販管比率31.6%)
額としても、割合としても浦和が突出していて、平均を引き上げていると言える。
しかし、それだけの規模を持っているし、利益も1億5,000万円出しているから問題なし。
その他40%を超えている横浜FM、清水だけど、清水は1億2,400万円の営業利益。横浜FMは5億円の営業損失。
営業収入は、横浜FM 37億1,700万円に対し、清水34億4,900万円。
どこで差がついたのかと言えば細々した所なんだろうけど、目立つのはトップチーム運営経費って項目かな。
横浜FM 4億4,200万円、清水2億1,500万円 (新潟 2億8,500万円 J1平均 2億9,700万円)
こんなに差がつくって、なんだろ?
マリノスタウン?清水は三保、新潟もアルビレッジが入っているのかな?浦和は4億1,200万円だから大原が入ってるのか。
クラブ別売上高規模分布表で見ると、J1・J2合わせて営業収入30億円以上のクラブは12クラブ(前年比+2)となり、そのうち営業収入40億円以上のクラブは2クラブ(前年比▲2)で、営業収入30億円を超えているクラブの営業収入:広告収入金額・比率/入場料収入金額・比率は
鹿島(41億600万円:19億3,500万円・47%/7億2,000万円・17%)
浦和(53億5,300万円:21億2,100万円・40%/19億9,800万円・37%)
大宮(33億4,400万円:21億7,200万円・65%/3億2,900万円・10%)
柏(35億5,100万円:19億8,900万円56%/5億7,600万円16%)
F東京(38億6,500万円:13億8,500万円・36%/8億1,700万円・21%)
川崎(30億7,300万円:13億7,300万円・45%/5億5,800万円・18%)
横浜FM(37億1,700万円:13億6,400万円・37%/7億8,300万円・21%)
清水(34億4,900万円:12億2,300万円・35%/6億2,300万円・18%)
磐田(33億9,100万円:16億7,400万円・49%/4億300万円・13%)
名古屋(39億9,300万円:21億4,500万円・54%/7億9,900万円・20%)
G大阪(32億8,500万円:18億4,000万円・56%/5億2,900万円・16%)
広島(31億7,600万円:14億600万円・46%/5億5,100万円・17%)
・
新潟(24億500万円:9億4,100万円・39%/6億6,100万円・27%)
大宮の広告収入って浦和より多くて、Jリーグ1位。営業収入に占める割合は65%ってのは明らかに異常。
本当に広告価値があるというならすごい事だけど、入場料収入やその他収入を見てもわかる通り、リーグ1の価値があるとは言えない状況だよね。
これは、親会社の方針転換でお金が回らなくなると危険な状態になりえると言う事。
横浜FMの累損だって、日産自動車が広告費でカバーしてくれていれば何て事は無いんだろうけど、日産はその価値を認めていないから生まれたという事が言えるわけで。
2012シーズン債務超過のクラブは、札幌(3,700万円)、横浜FM(16億7,700万円)、神戸(12億5,200万円)、栃木(5,600万円)、群馬(8,700万円)、岐阜(1億9,200万円)、北九州(3,000万円)、熊本(7,100万円)、大分(5億8,700万円)
とりあえず、今年を含めあと2年でどうにかしなきゃって話だよね。
セレッソのアカデミー収入、こういうことだったのか。http://www.footballchannel.jp/2013/11/29/post14765/4/
返信削除でもね、NPOで別法人って、それなりにコストもかかるよ。
それに脱法行為の抜け穴になっているという年う指摘もあるし、実際被害に遭った事例も知ってる。今後条件が厳しくなるんじゃないかな。
NPO=Nonprofit Organizationなわけで、本来営利事業の一環として行われるものではないし。
一方、そもそもトップチームがNPOであるY.S.C.Cみたいなクラブはどう考えるか。
NPOがプロサッカークラブを持つということの是非(Y.S.C.CはJリーグ側からアプローチがあったって噂を聞いたけど)はどう考えるか。
企業母体がないから税制優遇がないと、さらに厳しいだろうしね。