文庫本の帯にこんな文章が書いてある。
「青春3部作完結編 1982年秋 僕たちの旅は終わる 全てを失った僕のラスト・アドベンチャー」
物語の前に失ったものは多かったかもしれないけど、物語の後にだって、全てを失ったわけではないじゃん。彼には、ジェイズ・バーという素敵な避難所が残ってるし。
講談社編集部、恐るべし・・・なのか?
ここに初登場する羊男は、この後純真なキャラクターとして村上作品に登場する事になるけど、この作品の中では兵役を拒否して山に逃げ込んで隠れ住んでいるクリスマスなんて祝いそうもない純真な風変りな男。
描かれる僕は、何事もあきらめていたり、わかった風でいたりと、ある種の人間には頼られ、ある種の人間には嫌われるタイプの人間だと思う。
高校生の頃、それがカッコいいなって感じていたんだけど、今読むと微妙な感じ。
物語やキャラクターの感じ方なんて、時間と共に変わるもの。だって、人は好むと好まざるとに関わらず変わっていくものだから。
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