アル中で路上生活をするようになる元花形ディーヴァとその双子の弟家族、高名な神経外科医で病院オーナーの祖父に育てられた見た目も性格も違う弁護士の姉と反抗的な妹、その家の家政婦、姉の勤務する弁護士事務所の上司と重要クライアントである高級ホテルの人々、その病院に勤務するかつて理想に燃えた若いユダヤ人精神科医、その地域にある教会とその信徒、その教会が運営するホームレスの女性たちの施設とそこに出入りするホームレスたち。
それらの人々を丹念に描きながら、スターという謎のホームレスと思われる女性によってその生活が変わるという物語。
V.I.ウォーショースキーのシリーズで有名な著者が書いた、ウォーショースキーが登場しない探偵ものでもない作品だ。
本の帯のコピーに“シカゴの街に突如現れた不思議な女性は、その神秘的なパワーで人々の凍てついた心を溶かしていく……。”とあるけど、彼女は人の心なんて溶かさない。自分の心の中にある気付かないモノを気付かせるだけ。彼女の役割は触媒だし、登場シーンのボリュームもそんなに多くない。
コピーを信じて読まないように(笑)
正直、人物設定や関連が多すぎて理解しにくい。
結局、スターって何者だったのかはわからない。
有りがちな結末だけど、392ページだけど、この作品のように重たくて先に進めないくらいの物語の積み重ねがある。
人の気持ちが変わっていく様を、丹念に描こうと試みているけど、いろんな要素を詰め込みすぎたかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿