昨日、ちょっと待ち合わせまでの時間が空いたので観てみた。
個人的には全然知らなかった作品。昨年11月に新宿武蔵野館で公開された作品という事。
メジャー作品とインディーズ作品の違いは何かと言えば、製作費や宣伝費、公開館数というのは分りやすい所。
メジャー作品はおカネをかける分、リスク管理をしなければならないから冒険する事は難しい。
日本映画の場合リスク管理とは、有名な原作か、実績のある監督か、観客の呼べる俳優か。更には製作委員会方式で製作し、権利を切り売りして最低限は回収してしまう事だったりもする。
内容的には、多くの人の共感を得られるかというところも大きいと思う。
それは即ち企画や脚本にある程度の制約がかかる事も意味する。リスクを取れるか取れないか。そこにはいろんな要素が絡んでくる。
この作品はオリジナル・ストーリーで、(多分)知る人ぞ知る監督の単館公開の典型的なインディーズ作品。
全篇バリ島ロケと言っても、セットを建てるわけでなければ製作費もしれている。スタッフも現地の人となればなおさら。演出上の要請なのか、リスク管理の一環なのか。どちらにしても、それがいい方に出るか、悪い方に出るか。
個人的にはいい方には出ていなかったように感じた。
画の色調はバランスが崩れていたように感じたし、音声も聴きとりにくい箇所がある。
ストーリー展開にしても所々メタファーを使って観る側に想像を求めているけど、描き切らない事による余韻と理解されないリスクを考えなきゃならない。
この映画の登場人物の行動パターンは子供のものだと思うし、テーマが生と死であれば、ちょっと重さが足りないな。でも、実際そういう考え方をする人もいるわけで。
ただ、なぜ映画好きはいろんな映画を見るかと言えば、多分そうした世界観の違いを感じるためなんじゃないだろうか。それぞれの正論はあっても、相手が理解しなければその正論は通じないんだよねっていう。
それは、意外とこの映画の中身にも通じるのかもしれない。
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