表題作は、山奥の無人駅前の廃屋のような床屋に深夜ぽつりと明かりがつくのを目撃した道に迷った大学生ハイカーコンビのお話。
ミステリーにしては粗が目立つと言うより、そもそも成立しなくないか?って思ったりもする。
この単行本は短編集だけど、実はこの短編は連作となっているようで、最後はファンタジー仕立てで終わる。
わたしの読解力・注意力不足かもしれないけど、登場人物のキャラクターが起っていないので、同じ人物が主人公である事に気づかなかったし、さらにファンタジーであれば世界観の描き方が中途半端で、もう少し抒情性があっていい。
ファンタジーならしょうがない・・・訳ではないと思う。
多分、映像にすれば分りやすいお話なんだろう。
でも、文章の良い所は、その表現から一人ひとりの映像を思い浮かべる事が出来る事。
そういう意味では、まだまだ良くなる余地をたくさん残した短編集だ。
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