この映画の主人公サワの強引で勇気のある人との関わり方って、要介護の老人と接する上で、有りなんだろうなと身近な例を思い出して感じたりする。
とてもパワーがないと務まらないそれを、サワはシレっとやっている。
彼女自身の来歴は、幸せなものではなかったと感じさせられるもの。
でも、それをきっぱりと諦めて今を生きる潔さ。とってもハードボイルドだ。
介護士として雇われていた彼女が、ちょっと無い(ありそうなのか?)事件で失業し、老人の弱みを握って押しかけ介護をする。
普通の神経ではやれないけれど、家も仕事もお金も無いという立場であれば、ぎりぎりリアリティを保っているのかな。
しかし、そういう立場で守るべきものは守り、家事全般をして老人の心を開いて行く描き方は見る人を共感させていくんだと思う。
そして最後は閉ざされていた子供の心も開き、一緒に去っていく。どこへ行ったのか、どのように生活するのかな。
この映画で生きていて唯一救いがないのはその子の父親。
生まれてからあった事のなかった子供を引き取り、自閉症の子を扱いかねていた父親というのもせつない。
そういう主人公、たぶん彼女ではないと演じ切れなかったのではないかな。
また、監督・脚本が実姉というのも大きなアドバンテージだったかもしれない。
しかし、冒頭の画と音、カットの仕方微妙に違和感があるのは演出だったのかな。観ている最中は気になったけど、観終えるとそう感じる。
しかし、高知のお風呂ってあんな四角くて小さいんですかね。
ロケした家だけ?
(2014年11月19日 高倉健さんの訃報が流れた日 有楽町 スバル座)
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