2014年3月8日土曜日

【カレイドスコープの箱庭】海堂尊 作 2014年3月19日発行 宝島社

前作『輝天炎上』でシリーズ最後なのかと勝手に思っていたけど、書店で“バチスタ・シリーズ最新刊!真の最終章!”という本作の帯を見て軽く脱力した。
前作の続きであれば、東城大学病院(それが象徴する地方医療)の没落を描くものだろうというのは想像がつく。
今回は、より謎の部分に力点を置いている気がするが。

実際の医療現場に携わる海堂氏の閉塞感。そういう事だろうか。
個人的には前作の饒舌すぎる語りから、少し落ち着いてきたという感じがする。
実は謎自体は、それほど難解なものではない。
それを生み出す環境。
多分そういう環境が現実にあるのであれば何とかしなければいけない。
リスク管理の観点からも、それはマスト・・・だと思うのだが、多分解決されるめどが立たない徒労感なのかもしれない。
しかし、田口医師のような人生と言うのは避けたいのか、羨ましいのか・・・。
つまるところ、そんな現実逃避をするしかないのかな。

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